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補聴器の相談に来店する方は、様々な希望や不安を抱えています。

障害者に該当する方が補聴器の支給を受けるために、どのように手続きを進めるのか実際の手順に則してまとめてみました。参考にしていただけたらと思います。

 補聴器相談記録 事例.5 70代 男性 Kさんの場合

 

お耳の状況          

子供の時から耳はあまり良くなかった、10年位前から困る場面が増えてきてずっと我慢していたが、先日、耳鼻咽喉科を受診したところ6級の身体障害者に該当すると言われた。

先生からの意見書と紹介状を持って来店なさいました。

 

相談内容 

「病院から補聴器販売店で補聴器の手続きをしてくださいと言われた」と病院からの意見書と紹介状を持参しての来店です。

ここから障害者手帳の取得と、補聴器支給の手続きが始まります。

 

 

初回の相談 

病院からの紹介状を確認すると聴力は右記のグラフのような聞こえ方です。

身体障害者に該当する聞こえですので、聴力は大きく下がっていますが左右で比べると左耳の方が聞こえは良いようです。

ご本人の希望があれば、自己負担をすると両耳で補聴器を使うこともできますが、Kさんは障害者総合支援法の範囲内での補聴器を希望されていますので、対象になる片耳で手続きを勧めます。どちらの耳に補聴器をするかを決めなくてはなりません。

聴力と語音明瞭度から検討するとこのケースは左耳での補聴器使用が適当と思われます。

「補聴器は悪い方の耳にするものじゃないの?」と考えるかもしれませんが、補聴器を片耳にする場合、聞こえる能力が高い耳の方が効果を出し易いため、良い方の耳に装用するのが一般的です。試しにKさんの耳に合わせた補聴器を左右で試聴してもらいましたが、左の方が良く聞こえるそうですので、装用耳は『左耳』で、医師からの意見書の記載に従い見積書は『高度難聴者用の耳掛け型』『イヤモールド付き』で作成し、支給が決定されれば耳の形に合わせた耳栓を作成することになります。

 

上記の内容を基に『見積書』を作成します。ここからは役所での手続きになります。

① 身体障害者手帳交付申請書(市町村の福祉課窓口から受領)

② 身体障害者診断書・意見書(指定病院の判定医から受領)

③ 補装具給付申請書(市区町村の福祉課窓から受領)

④ 補装具費支給意見書(指定病院の判定医から受領)

⑤ 見積書(自立支援法取扱いの補聴器販売店から受領)

の書類をお住まいの市区町村の役所内『福祉課窓口』へ提出します。

①②は障害者手帳取得のため、③④⑤は補聴器の支給のための書類です。提出後、審査は市区町村で行われるので決定の通知が届くまでお待ちください。

※今回は同時に申請しましたが、先に①②を提出し身体障害者手帳を取得してから補聴器の手続きを行う場合もあります。お住まいの地区の福祉課窓口へご相談ください。

 

2回目の相談

書類を提出してもらってから1か月位経った頃でしょうか、Kさんから役所から封書が来たと連絡がありました。書類を持って来店していただくと『補装具支給決定通知書』『補装具支給券』『委任状』が入っています。これでKさんの補聴器支給が正式に決まりました。今日は補聴器の色を決めて、イヤモールド作成のための耳型を採取させていただきます。

 

3回目の相談

前回の来店から2週間、補聴器の納品日です。作成したイヤモールドが左耳に合うかを確認、問題なかったので電池の入れ方と耳への入れ方を練習します。音の調整を行い役所から送られてきた『補装具支給券』『委任状』に必要な場所にお名前と印鑑を押してもらった書類をいただきます。

 

最後に

その後Kさんは徐々に音を上げて補聴器に慣れてから効果測定を実施、良好な結果が得られたのですがその際に「我慢していないで、早く作ればよかった……」と言っていただきました。調整を繰り返した後に行う効果測定は補聴器をした状態で『音の聞こえの測定』『言葉の聞き取りの測定』『環境騒音下で使えるかのテスト』などを行います。

今回は手続きから納品、効果測定までの流れをまとめてみましたが、その結果を基に当店で報告書を作成し、病院へ提出します。

人によって補聴器に慣れるのに必要な期間が異なりますが、使用者のペースに合わせながら一般的には3ヶ月を目安に調整を行っていきます。

調整が終わってもそれで終了ではなく、定期的にお店に来てお掃除と点検を行います。また年に1度は聴力を測定し変化がないかを確認、必要に応じて音を調整しながら最適な状態で補聴器を使いましょう。