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補聴器の相談に来店する方は、様々な希望や不安を抱えています。

今回、初めて補聴器を検討した方が何に困っていて、どの様に補聴器の使用を決めたのかレポート形式にまとめてみました、補聴器選びの参考にしていただけたらと思います。

 

補聴器相談記録 事例.7 70代 女性 Uさんの場合

 

お耳の状況          

今回の来店は同行した娘さんが説得したそうで、娘さん曰くUさんご本人はあまり困っていないと言うが聞こえが悪いのは随分前から気になっていたそうで、難聴は認知症の危険因子になるとテレビや新聞記事を見て心配しているそうです。

 

相談内容             

ご本人から話を聞くと、テレビはボリュームを上げればいいし、病院は長く通っているので受付の方が呼びに来てくれる、必要なことは娘さんが少し大きい声で話してくれれば大丈夫と言います。

でもお話を伺う際に私はかなりの大声でお話しています。娘さんとお母さんがお話する際も耳元に口を寄せて会話をしており、かなり聴力が下がっているのだろうと感じました。

 

初回の相談          

今の状況を知るために聴力測定をおこなった結果が右のグラフです。

両耳ともかなり聞こえにくくなっており、言葉の聞き取りも低下しています。実は聞こえにくさを感じて45年前に耳鼻科を受診していました。そこでは年齢的なものと言われ、それほど強く補聴器を勧められなかったので通信販売で集音器を購入したもの、あまり効果を感じられずに使わなくなったそうです。

Uさんは集音器がダメだったので、補聴器も効果が無いと思っているようですが、娘さんは補聴器は個々の聞こえに合わせて調整するので集音器とは違うと考えネットで情報を集め、当店が認定補聴器専門店を取得していることまで調べてE・テラスに来てくれたそうです。

補聴器がどのように聞こえるか試聴用の小型の耳掛け型で音を合わせて聞いていただきます。「聞こえている?どんな感じ?」と声を掛ける娘さんへの第一声が「うるさい位に聞こえている、あんたの声が大きいよ」でした。娘さんは今までの調子で大きな声で話しかけたからこその反応です。

ここからは私も娘さんも声を落とし普通の声量で十分に話が通じます。受け答えもスムーズになり、娘さんも驚いていました。Uさん自身の声がうるさく感じないか聞いてみると「別にあまり気にならない、私はあまり細かいこと気にしないから」と笑っていました。

普段の生活環境の中でどう感じるか試して頂くためにこのまま貸出をします。

 

2回目の相談

1週間後、Uさんと娘さんが来店なさいました。集音器を使った時に感じた雑音が余計に大きくなる感じも無く、今までの音量だとTVが大きくてびっくりした、ご家族と話しをするのが楽になったと感じたようです。特にお孫さんとの話が楽になり夕食時に家族との会話に参加できることを喜んでくださいました。

「こんなに聞こえていなかったとは思わなかった」というUさんの言葉に、「だから心配して連れてきたの」と娘さんが応えていました。

この時点でUさんは補聴器の使用を決めていましたが、耳掛け型はマスクに引っかかるのが気になるため耳穴型を選択しました。今日は耳型を採取して補聴器の注文をいただきました。

 

3回目の相談

Uさん用に作成した耳穴型補聴器の納品日です。耳穴への入れ方を確認し音の微調整をしてお渡しとなります。耳穴型が出来上がるまで貸出を継続していたため、音が聞えることにどんどん慣れてきたようで、少し音量を上げて納めさせていただきます。

効果を確認するため、両耳で補聴器未使用と使用時で測定したのが右のグラフです。

△は補聴器未使用の聞こえ、▲は補聴器使用時の聞こえです。全ての周波数で改善しています。個人差はあるものの通常はここまで1ヶ月~3ヶ月程度掛けて慣らしていきますが、Uさんは補聴器への順応が早く、今回は良好な測定結果が得られました。

最後に

補聴器を使うようになって3ヶ月程が経過し点検に来店した際に使用状況を確認すると1日平均12時間以上使ってくれています。初来店時の印象ではこの短期間でこんなに長い時間使ってくれるとは思っていませんでした。

私が「朝から晩までずっと使っていると疲れることはありませんか?」と聞いてみたところUさんから「毎日使っているからもう慣れた、使わないと孫に『補聴器入ってないんじゃない!』と注意されるから急いで入れている」と笑っていました。

「音がうるさく感じたり、響いたりするようであれば音を下げますから教えてください。」と、お話した際に「私は鈍感だから大丈夫、多少うるさくても話が聞える方がいい」と言ってくださいましたので、音は変えずに次回からは3ヶ月に1度の定期点検となります。

今回、紹介したUさんの事例は補聴器への慣れがとても順調なケースです。慣れには個人差があります。短期間で順調に慣れる人もいれば時間を掛けて少しずつ慣れる人もいます。個々のペースに合わせて調整をしていきますので、これから補聴器を検討している人は焦らず、諦めずに一緒に補聴器の練習をしていきましょう。