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補聴器の相談に来店する方は、様々な希望や不安を抱えています。

何に困っていて、どの様に補聴器の使用を決めたのかレポート形式にまとめてみました。

補聴器選びの参考にしていただけたらと思います。

 補聴器相談記録 事例.1 70代 女性 Mさんの場合 

お耳の状況
聞こえにくいと感じて3年位、本人はそれほど困っていない。補聴器は必要ないと思っている。


相談内容
Mさんのご主人と娘さんが一緒に来店し、娘さんは別世帯で生活。
実家に行くと、お母さんと話すために大声を出すのがつらい。
ご主人とテレビのボリュームが合わない、別々の部屋で見ているが隣の部屋でも聞こえる位の大音量でテレビを見ている。

初回の相談
ご家族が補聴器をして欲しいと希望、聞き間違えが多く大声で話をしているとケンカをしているような気分になるとお悩み。
ご本人はMさんのお父さんが使っていた補聴器がピーピーうるさかった為、補聴器に良いイメージが無く、あまり役に立たないと思っている。
近くに来て、大きい声でハッキリと話してくれれば今でも十分聞こえていると感じているようです。

聴力測定と言葉の聞き取りのテストを実施してみると、両耳とも聴力が低下しているものの言葉を聞き取る力は残っているので補聴器による改善が期待できます。

RICタイプ(小型耳掛け型)を初心者用の設定で両耳に試聴。試してみるとピーピー鳴らないし、思っていたより違和感なく聞こえる。お店の空気清浄機の風の音が聞えてきて、こんな音がしていたことにここで気がついてビックリ。
マスクをすることが多いのと、補聴器が見えるのは嫌ということでCICタイプ(小型耳穴型)をご提案、耳の型を採取し2週間後の来店予約をいただきました。 

2回目の相談
前回、採取した耳型で作成した小型の耳穴型補聴器で電池交換と耳への装用練習を行う。
調整は初心者用で違和感が少ない状態で音を合わせ、まずはご自宅でテレビを見る時や家族との会話に使ってみましょうと2週間のお貸出。

 

3回目の相談
補聴器の記録を確認すると、1日平均7時間位使ってくれていました。
初めての補聴器で最初からこんなに長時間使える方は少ないのですが、疲れませんでしたか?と聞いてみると、思っていたよりも音に違和感が少なく話もしやすくなった、慣れてきたのか最後の方は耳に補聴器が入っているのがそれほど気にならなかったと言って頂きました。
初回貸出の時から少し音量を上げて、貸出を延長。補聴器を使っていく意欲があれば、次回来店時に納品させていただきます。

4回目の相談
Mさん、すっかり補聴器の装用に慣れたようです。
前回音を上げましたが、一日平均9時間の使用、テレビの音量も大幅に下がったそうです。お店がある前の通りはかなり交通量がある琴似・栄町通りなのですが、車の音も「うるさい!」とまでは感じないので外での使用も問題無し、とご評価いただきました。
今日は、防音室内で補聴器がどの位効いているのか効果測定を行い、今の音に慣れてきたらもう一段階音量を上げて、内緒話もよく聞こえるようにしましょう、と目標を設定しました。
補聴器のお掃除方法と、電池の入れ方、装用方法を再確認、保証内容をご説明して納品完了となりました。

最後に
今回の場合は過去にMさんのお父さんが使っていた補聴器の頻繁に鳴るピーピーというハウリングの音に悪い印象があったため、補聴器をしたくないという思いに繋がっていました。その当時はアナログ補聴器しかありませんでしたので、大まかな調整しかできない古い補聴器のイメージが強かったのでしょう。
最新のデジタル補聴器は、当時と比べるとハウリングを抑える機能が大幅に強化されています。今回ご用意した機種は、形状も小さく耳の穴に収まるタイプのもので見えにくいという点と、娘さんの「話すのが楽になった、このまま聞こえなくなったらどうしようと思っていた」という言葉が補聴器の使用へと背中を押してくれたようです。