折角聞こえるようになったのに…

補聴器を使い始めて、周りの音が大きくなり、自分の声も大きくなり「ああ、よく聞こえる、言葉がハッキリ聞こえるようになった!」と言って下さるお客様がいらっしゃいます。
しかし、店のスタッフからは「まだ初心者用の音なので、これから時間を掛けてもう少し音を上げていきましょう」と言われます。
それを聞くと、折角聞こえるようになったのに、これ以上音を大きくしたらうるさくなるのでは?と思うでしょう。では、補聴器はどこまで音量を上げるべきなのでしょうか?

聞き間違いはどうして起こる?

例1

例1の表にある赤いグラフは右耳の聞こえ方、青いグラフは左耳の聞こえ方を表しています。×の記号が上にあればあるほど、小さい音を聞くことができます。
0dBのところに茶色でまっすぐに線を引きました、これは若くて健康な人が聞こえるギリギリの音量です。低音域(125Hz)から高音域(8,000Hz)まで非常に小さな音でも聞くことが出来るという意味です。

30dBにもう一本黄色の線を引きました。聴力は40代から下降が始まり年齢とともに進行しますが、この黄色の線よりも上で聞こえのグラフが出来るなら、日常生活に不自由は少ないという目安になります。

例1では全ての音が30dbの黄色い線から下にならないと聞こえていないので、生活の中で不自由な場面が多々あるはずです。
加齢性難聴の特徴は下がり方が均一ではなく、高音域から低下していきます。

「この魚、おいしいね」「え?高菜なんて…」

今回の場合、低音域は比較的聞こえているものの4,000Hz・8,000Hzといった甲高い音の方が大きな音を出さないと聞こえなくなっているので、例えば鳥のさえずりや体温計の電子音などの音が非常に聞こえにくくなっています。 言葉で言うと『サ・シ・ス・セ・ソ』の判別がつきにくくなってきますので、魚(さかな)高菜(たかな)と聞き間違えてしまうかもしれません。

補聴器でどこまで音を上げるのか

例2

補聴器の音量を調整して緑の矢印のように比較的、聞きやすい音は少し上げて、聞こえにくい音はしっかりと上げる調整をすると、聞こえない音や聞き間違いが減り「良く聞こえる」となるはずです。
ところが、例2の緑の矢印のように音を上げた場合、ほとんどの方が「音がキンキンとしてうるさい」と言うのです。特に『聞こえにくい』を長い間放置していた場合、高音域が聞えないことに慣れてしまい聞こえるようになるとわずらわしい、うるさい、と脳が感じてしまいます。
例2の左側、赤いグラフで表される4,000Hzの音は補聴器を使用しないと75dBという大きな音量で出力しないと聞こえなかったのが、補聴器を使うことで30dBの音量で聞こえるようになっています。 しかし、表の中の緑の矢印(補聴器の効果)が大きくなる程、今まで聞いていた音との違いが大きくなり違和感を強く感じます。

補聴器の練習は『脳』のリハビリです。もう一度、音が聞こえることに慣れるためには前向きな気持ちで補聴器に取り組み、いろいろな環境での聞こえを確認しながら調整を重ねることで少しずつ慣れていき、本当に自分に合った聞こえになっていきます。

一般的には補聴器を使って30db~40dBで聞こえるように目標を設定しますが、使用者のきこえの状況や音の感じ方、生活環境によって目標設定はそれぞれ違います。当店スタッフと一緒にどこまでの聞こえを求めるのか目標を決めていきましょう。
E・テラスでは『聞こえる』だけでははく、使用者のペースに合わせて音量・音質の調整を行い、補聴器を上手に・快適に使えるようサポートさせていただきます。

『音場』で行う効果測定

音量が「大きく感じる」とか「小さく感じる」というのは個人差があり、慣れによっても印象が変わる主観的なものです。補聴器の評価では、どの位小さな音が聞えるように改善されるかを客観的に知ることが大切です。

音場

正しく効果を知るために補聴器を付けて『音場』と言われる空間で聞こえの測定を行い、目標の音量で聞こえるようになっているかを確認します。
『音場』とは防音室の中で音の校正を行い、この中だと設定された音量で正しく聞こえてくるように計算された部屋です。この音場を使って補聴器の効果測定ができる設備を設置することは公益財団法人テクノエイド協会が認定している『認定補聴器専門店』の要件にもなっています。

例3

例3で聞こえの目標を35dbに設定した場合の理想的な効果測定結果を掲載しました。
で表される右肩下がりの聞こえ方が補聴器を使うことでで表される均一な聞こえに補正されたことが確認できます。
補聴器を使う前と比べると全体的に音量は大きくなり、聞こえにくかった高音域も35dbで聞こえるようになりました。今まで聞こえなかった小さな音や、電子音が聞こえるようになり、言葉が聞き取れるように改善されているはずです。

補聴器を使用した際の効果を把握することは、その後の調整方針を決めるための指針となる大事な測定です。お客様が感じる“主観的評価”と測定によって得られる“客観的評価”を組み合わせることで、使用者にとって最適な調整となるように努力しています。

今回は『音が聞える』についてお話しましたが、次回は『言葉が聞き取れる』についてもう少し詳しくお話させていただきます。

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