「最近、急に聞こえが悪くなって困っている」

 

お客様の応対をしていると補聴器を使っている人からも、新しく補聴器を検討している人からも「最近、急に聞こえが悪くなって困っている」とを言われる機会が増えています。
「どういう時に聞きにくくなっていますか?」と尋ねると、病院で先生とお話する時や、お友達とお話する時、スーパーで買い物する時と様々な場面で不自由さを感じています。
これは最近、世界中で流行している新型コロナウイルスの感染予防対策が関連しているのではないでしょうか。

聞こえが下がったように感じる3つの要因

ソーシャルディスタンスを取るようになり、相手との距離が離れたため声の音量が減衰し聞きにくくなっている。
マスクなどにより音声が遮られ籠って聞こえてくる、中音域・高音域の音声信号が減少している。
外出時、人と会う時はマスクの着用がマナーとなり、唇の動きが見えないため、読唇ができない。

①距離による音の減衰

感覚的にご理解いただけると思いますが、音は距離が離れるに従って小さくなります。
普通の声の大きさが60dB位と言われています、今まで1m離れてお話した時に60dBで聞こえていた音声が距離を取って2mに離れたなら音は6dB減衰してしまいます。
距離を離しただけで聞きにくくなるのに、②③の要因が加わることで、もっと聞き取りにくくなってしまうのです。

②マスクによる音声信号の減衰

 

一般的な医療マスクで2,000Hz~7,000Hz間で3dB-4dBの減衰、N95マスク(微粒子用マスク)ではおおよそ12dB音声信号が減衰するという報告があります。
音声信号の中でも低い音域は影響を受けづらく、高い音域ほど減衰が顕著にみられ、これは加齢性の難聴の下がり方と同じ傾向を示しています。
「声は聞こえるが、言葉がハッキリしない、聞き間違いをしてしまう」という現象がより強く感じられると思われます。

 

これは病院やスーパーのレジに設置してある飛沫感止用のアクリル板やビニールシートなどでも同様の減衰が起こります。
これらの要因が重なって、急にきこえが下がったように感じてしまうのです。

③唇の動きが読めない

唇の動きを読むなんて言うと、『読唇術』なんてできないよ!と思いがちですが、そんなに難しいことではありません。私達はお話をする時に無意識に相手の唇から音声を補完する情報を得ています。声を出さずに「あ・り・が・と・う」と唇を動かすと表情と合わせてなんとなく伝わります。今はマスクが口元を覆い隠すので音声情報だけで判断しなくてはなりません。

 

補聴器を使っていない方の対応策

補聴器は使っていないが、難聴の傾向があった方はマスクによってより聞きにくくなってしまっています。補聴器無しで改善するには基本的な対策を講じるしかありません。

会話をする時は相手の正面からお話をする。
マスクよりも口元の見える透明なマウスシールドの方が望ましい。
ゆっくり・はっきり発音し、少し強めの発声を心がける。
テレビを消したり、順番に話したりすることで聞きたい会話以外の音を減らす。

補聴器を使っている方の対応策

補聴器を現在使用中の場合は、上記の対策に加えて調整を行うことで聞こえを改善できるかも知れません。
最近の補聴器は音のプログラムを作成し、音質の切換えを行うことができます。(機種によっては別途リモコンやアプリが必要な場合もあります)。
音が強く聞こえるマスク用のプログラムを作り、必要な場面で切り替えて使うことで、言葉が聞き取りやすくなるかもしれません。
普段の音を大きくしては駄目なの?と言われそうですが、マスク用のプログラムは減衰してしまう高音域の音を強く調整するので、日常の生活では水音や紙が擦れる音、金属質な音などが必要以上に大きく感じられてしまいます。長時間の使用では疲労感が出る可能性がありますので、必要な時に切換えて使う方が使いやすいと思います。

コンビニで聞き返しをしてしまう

 

上記のような理由で、補聴器を使っている人も補聴器を使っていない人も、あらゆる場面で今までよりも聞こえが下がったように感じています。
私もコンビニで何を言っているのか解らず「え?」と聞き返すことが増えました。「箸は何膳お付けしますか?」「レジ袋は利用なさいますか?」といった会話がマスクと飛沫防止シートで二重に遮られて言葉の形にならないのです。
難聴の傾向がある方は、私以上に不自由な思いをしているのではないでしょうか。
補聴器をしている人も今まで聞こえていた場面で聞き返しをするようになると「補聴器の調子が悪いのだろうか……」とか「聴力が下がっているのでは……」と不安に思うかもしれません。
それはあなただけではなく、健聴の方も含めて多くの人に起こっている現象です。

コロナ禍の補聴器事情

日常的にマスクをつけるようになり、きこえに不自由さを感じて補聴器を検討する方が増えています。ここ数年は装用するとワイヤーしか見えないと小型の耳掛け型補聴器の人気が高まっていましたが、新型コロナウイルスが流行してからはマスクを着用しても邪魔にならない耳穴型を希望する方が増加傾向にあります。耳掛け型の補聴器を使用している方が耳穴型を買い足すというケースもあります。
E・テラスでは耳穴型でもすっぽりと耳穴に収まってしまう、小型の目立たない機種もあります。聴力が大きく下がっている方や細かな操作が苦手な方には扱いやすい大き目の耳穴型も取り扱っていますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

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