補聴器の相談を受けていると、ご家族が一緒に来店し、補聴器を使って欲しいとすすめても、ご本人はまだ必要ないと考えている場合がよくあります。
最近はテレビでも難聴を放置すると、耳から入る情報が不足し、他の症状を併発する恐れがあるといった研究結果が紹介されています。健康寿命を延ばし、ご家族やご近所とのコミュニケーションを円滑にするためにも周囲のご家族の方が必要性を感じている相談が増えています。
補聴器を使うにはご本人の意欲が大切です。今回は補聴器をしたくない方がどのように考えているかをまとめています。
『自分はまだ聞こえている』
聞こえるようにとご家族が大きな声で話していると、「自分はまだ聞こえている」と感じてしまい、聞こえない時は、ご家族の話し方が悪いと感じているかもしれません。
聞き返しが増えてきた、テレビの音が大きくなっている、体温計のアラームが聞こえない、呼ばれても気が付かないことがある。当てはまる項目がありませんか?
ご本人がどの程度、聞こえているのか(いないのか)を知るために補聴器店に誘ってみていただけないでしょうか。聴力を測定して難聴に該当しなければ補聴器は必要ありません。
耳垢詰まりや病気の可能性がある場合は耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。
聴力が下がっている場合は、補聴器の体験も承ります。
まずは自分の耳の状態を把握することが、次を考える切っ掛けになると思います。
『補聴器はあまり聞こえないらしい』
ご本人の親世代が補聴器を使っていた場合、補聴器に悪い印象をもっていませんか。ピーピーとハウリング音がいつも鳴っていた、雑音がすると言ってあまり使っていなかった。
補聴器を上手に使えていないお友達からも上記のような話を聞いているかもしれません。
以前に比べると、最近の補聴器は性能が上がっており、ハウリング音は減少し、音質も自然な聞こえになっています。
最初は多少の違和感はあるものの、最新の補聴器をご自分の耳に合わせて体験してみると、思っていたより快適だったというお声も多くいただきます。
『補聴器は高いから要らない』
補聴器は片耳で9万円~60万円くらいの価格帯で、両耳に装用する場合は更に高額になります。値段の違いは機能の違いです。自宅でテレビを見る、ご家族との会話に使うのであれば、高額な機種でなくても効果が出ますし、まずは片耳から始めるという選択もあります。
平均聴力が70dB以上の場合は高度難聴に該当し総合支援法による補助の対象になります。
制度を利用するには、補聴器相談医による判定が必要になるため、事前に耳鼻咽喉科の受診をお勧めいたします。
『補聴器は格好悪い』
昔の大きな茶色の補聴器をイメージしている場合、「あんな大きな物は付けたくない、聞こえなくても良い。」と感じている場合があります。
そういう方は、最近の小型でカラフルな可愛らしい補聴器を見ると、「想像していた物と全然違う、これなら使っても良い。」と言ってくれます。
同様に「面倒だからしたくない。」と言っていた方が充電式で電池交換不要の補聴器を紹介すると、「これなら自分でできそう。」と使用に前向きになってくれる場合があります。
使いたくない理由がある場合、そこを解消することで一歩前進できる事例が多くあります。
補聴器を購入した後も……
補聴器を購入したとしても、そこからが始まりです。聞こえを改善するには音が聞こえる環境に慣れるためにリハビリの時間がかかります。さらに補聴器を使っても苦手な部分は一部残り、健聴者と同じように聞こえる訳ではありません。
- 話をする時は正面から声をかける
- ゆっくり、はっきりと話すよう心掛ける
- 聞き取りにくい場合は他の言葉に言い換える
といった部分に気を付けていただけると、より快適に使っていただけます。
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